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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

映画『his』好きな人といること

ちひろさん』の今泉力哉監督作『his』をNetflixで見ました。

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あらすじ

迅の大学卒業目前、「一緒にいても将来が見えない」と渚は別れを切り出し姿を消す。出会いから13年後、ゲイであることを隠し田舎で孤独な生活を送る迅の前に6歳の娘・空を連れて渚が突然現れた。居候させてほしいという渚に戸惑う迅。いつしか空も迅に懐き、村の人も3人を受け入れる。そんな中、渚は妻と空の親権を争っていること、迅への気持ちを打ち明ける。

作品データ/主要キャスト

宮沢氷魚/井川迅

 ゲイであることを隠し田舎で独り暮らす

・藤原季節/日比野渚

 迅の元恋人、空の親

松本若菜/日比野玲奈

 渚と離婚調停中、通訳者

松本穂香/吉村美里

 迅が暮らす町役場の人

・外村紗玖良/日比野空

 渚と玲奈の娘

鈴木慶一/緒方

 狩りで生計を立てている高齢者

公開年:2020年/監督︰今泉力哉 /脚本:アサダアツシ/配給︰ファントム・フィルム

解説

ちひろさん』『愛がなんだ』の今泉監督が、同性同士のカップルの親権獲得や周囲の人々への理解を求めて奮闘する姿を描いたドラマ。

ちひろさん』の感想はこちら↓

movie-choco1224.hatenablog.com

 

 

*以下ネタバレしますので、未見の方はご注意ください。

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感想

2度目のほうが伝わる。

 この作品見るのは実は2度目です。単にBLに興味がないのもあって、1度目は単に渚が勝手すぎるくらいの感想しか出てきませんでした。

 2度目でも、やっぱり唐突にきて好きにふるまう渚は、勝手だなと思う。迅の居場所をどうやって突き止めたのかも謎が多いし、押しかけてきて、一緒に子育てをしろって言われる迅の気持ちも考えてほしい!って正直張っ倒したい。

 でもそれだけ、この人じゃないとだめだ、この人の傍にいたい、いてほしいって思える人と出会えていることが、正直私は羨ましい。

 そして同じくらい妻の痛みも分かる。自分が心底愛したのに相手はそうじゃなかったと思った時の失望。娘を愛してはいるけど、傍にいればいるほどその失望が襲うから、きっと自分のいら立ちを娘に向けてしまうのだ。

 たしかに、今の世の中の多数派をとると、男女が家庭を作って子育てしているほうが断然多いわけで、それが一般常識ってなってしまう。男性だからできること、女性だからできることもある。どちらかに偏った時、それが子どもに与える影響も正直あると思う。妻側の弁護人にはむかつくが、あえて多数派思考の代表的な弁を述べさせているのだろうと理解できる。

 でもそれは、男女のペアが違うから影響があるのではなくて、シングルマザー/ファーザーでも一緒なんじゃないか。もっというと、ワンオペなんて言葉があるくらい、一緒にいたって子どもと関わる時間はどちらかに偏ってしまって、好きものを知らない親なんていくらでもいるのが現実。

 空ちゃんのことを思うと、会いたいときに会える環境だけを与えて、田舎で二人と一緒に過ごすほうがよかったんじゃないか?とフィクションなのに案じてしまうほど、この母親と祖母の環境は不安しかない。

源さんの名言

 カミングアウトした迅に「年を取ったら女も男も分からん」だったか…いい大人がいる田舎を見つけたなって思う。偏見なく、もしくは物分かりよく、人柄を見てくれる過疎の町が実際にはどれだけあるのか、想像がつかない。

 ちなみに…私はあんまり激しいスキンシップのある作品は、どういうジャンルであれ苦手なのです。イケメンと美女だったとしても結構です…ってタイプです。なので、あてにならないかもしれませんが、本作のキスシーンそこまで過剰ではなかったので、私は大丈夫でした。

 それよりすごく刺さったのが、源さんが言っていた”誰かの影響を受けることは人生の醍醐味だ。”という言葉。大人子供男女の別なく、誰かに出会って物の見方を知ったり、趣味や感性の違いを受け入れられるか否か考えをめぐらすことを含めて”刺激を受けること”は大事。毎日が都会のように賑やかでなくても、すべてを肯定しなくたって、何かをキャッチする感性だけは磨いておきたいって思いました。

 そんな明日は異動内示が出る日です。どう私の心は向き合うのか…とちょっと楽しみです。

 

▶こんな人におすすめ

  ・いろんな家族のカタチを知りたい
  ・LGBTに関心を寄せている
  ・法廷シーンのある映画を観たい

 

★★★

 

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