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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

映画『ミス・シェパードをお手本に』どの辺をしたらいいの?

『ミス・シェパードをお手本に』Netflixを開くたび、なぜかオススメされ続けてきたので、見てみました。

ミス・シェパードをお手本に (字幕版)

あらすじ

ロンドンのグロスター・クレセント通りに居を構えた劇作家ベネットは、おんぼろの車で生活するホームレスのミス・シェパードを気にかけ、自宅の前庭を駐車スペースとして3か月間提供することにした。その結果15年もいついてしまったミス・シェパード。ベネットは窮屈さを覚えながらも興味を持ち観察をし始める。

作品データ/主要キャスト

・マギースミス/ミス・シェパード

 バンで生活をしているホームレス

・アレックス・ジェニングス/ベネット

 クレセント通りに住む劇作家、シェパードに庭を貸す

ジム・ブロードベント/アンダーウッド警官

・フランシス・デアトゥーア/ヴォン・ウィリアムズ夫人

・ロジャーアラム/ルーファス

 

公開年:2016年/監督︰ニコラス・ハイトナー/脚本:アラン・ベネット/配給︰ハーク 

解説

15年間におよぶ劇作家とホームレスの風変わりな交流を見つめる。脚本家のアランベネットが書いた実録の舞台を映画化。主演は舞台でも同役を演じてきたマギー・スミス

 

*以下ネタバレしますので、未見の方はご注意ください。

感想

 Netflixを開くたび、あまりにおすすめされるので根負け状態で見てみました。ちょこっと画面に垂れ流されている予告を見ている限りでは、ホームレスと若い市の女性職員とかボランティアのアットホームなお話かと思っていました。

 でも見てみたら、絶対にお礼も謝罪もしない偏屈なおばあちゃんホームレスと親のことしかネタにできてない劇作家との15年間。

 それにもびっくりだけど、日本とイギリスの福祉のあり方の違いなのかな。ホームレスに対してもあんなにアットホームに声をかけて話したり、気にかけていることに驚く。日本でも支援施策はあるから福祉行政は見守っているにしても、介護保険ですら手を出していいことは限られているし、社会福祉士も際限なく尽くしているわけじゃない。実際問題、街にいるか生まれたままの姿のおじいちゃんに声をかけようとは、ちょっと思えない。それが実話だというのにびっくりする。

 見てもわからないことが二つあって。

 一つが、ミスシェパードは自分が衝突事故を起こして人を死なせてしまったから、家に帰るに帰れず逃亡してにホームレスになったってことなの?
だとしたら、人が路上で死んでいるんだから事故事件の両面で捜査していただろうし、街の中では有名人だったミスシェパードを取り調べもしていないのは不自然。それに、捕まえる罪を犯してないのなら、本人は人を殺しているかもと思っていたはずだから、そうじゃないって誰も教えてあげないのは何でなんだろうか。(それとも私が見たバージョンではそのシーンが割愛されていただけなの?)。いろんな経験も栄光もあって、豊かな時間を送ってきた人の転落、逃亡劇部分をもう少ししっかり見たい。

あともう一つが、邦題。原題は”Lady in van.”バンに乗った女性。それだと平凡なのは分かるし、作品にタイトル以上の魅力があるとしても伝わらないだろうと思う。

 だからといって、どうしてこういう邦題になったのか、私には理解できない。ホームレスになってもプライドが高く、図々しく、お礼もごめんも言わない老人の何を”お手本に”すればよいのか?邦題をつけた人にあなたはこの方のどこをお手本にしたの?と聞いてみたい。

▶こんな人におすすめ

  ・ 実話ベースのお話が見たい
     ・主役の女優さんのファン
  ・海外福祉に興味がある

★★

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