本のおすすめ:西加奈子を3冊読んでみた件
私は映画もドラマも好きですが、親の影響で本を読むのも好きです。少し目を悪くしてしまったので読むペースは落ちましたが、電車に乗る外出の時には1冊文庫を持ち歩きます。好きな作家さんの本は文庫本の初版を本屋さんで買います。
でも時折、いつも決まったテイストを読むより、衝動的にBOOKOFFでタイトル買いをして、新しい「好き」に出会いたくなる時があって。おかげで瞬間的に読みたいと思った積読本タワーの嵩がなかなか低くなりません。
今日はそのタワーの中から、読み終えたばかりの西加奈子さんの小説3冊をご紹介します!
西加奈子小説おすすめ3冊
『漁港の肉子ちゃん』果てしない親子愛
あらすじ
漁港の焼肉屋に勤める肉子ちゃん。ちょっと太くて明るい母をキクちゃんはちょっと恥ずかしい。漁港に暮らす肉子ちゃん母娘と町の人たちを描く。明石家さんまさんが映画化したことでも有名なアニメの原作本。
▶私もちょっと肉子ちゃんがお母さんだと恥ずかしいな、と読み始めは思っていました。でも、お話が終わるころには、こんなお母さん最高じゃないかと涙しました。
『白いしるし』失恋の痛みの方向性…
あらすじ
失恋だらけの32歳夏目は、恋からあえて遠ざかってきたが、真島の絵を見た瞬間に心を持っていかれてしまう。決して自分のものにはならない真島に触れるたび、夏目は笑えなくなってしまった。
▶ 夏目の心の芯にドンズバで衝撃が走ってくるような感覚が文体から伝わってくる。夏目と真島と以外の部分で話がすごい方向へいく。けれども、なぜか失恋したときにまた読みたいと思う1冊。
『地下の鳩』は平成版夫婦善哉?!
あらすじ
ミナミの夜の街で客引きをする吉田と素人のチーママのいびつな恋愛、平成版夫婦善哉。おかまバーで働くミミィが客を殴ってしまった夜のこと。大阪の街を描く2編。
▶ これまでも西加奈子さんはもともと暗い話が多いと思っているけど、この本はずーっと深夜の地下通路をとぼとぼ歩いている感覚がしました。夜の街やミナミがすきなひとにはいいのかな?と思います。私はどちらかというと2つめのお話がよかった。
西加奈子3冊をご紹介しました。わたしの一番のおすすめはやっぱり『漁港の肉子ちゃん』です。ふわふわタオルを傍らにおいて、泣く準備万端で読んでみてくださいね。