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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

ドラマスペシャル『スイッチ』を見た

Netflixで見た『スイッチ』映画ジャンルで見ていましたが、2時間ドラマだったようで(笑)楽しかったので感想を残しますね。

あらすじ

検事の直と弁護士の円。別れた後も長年腐れ縁を続ける元恋人同士がある事件をめぐって裁判で争うことになった。これまでの微妙な関係に転機が訪れる。

作品データ/主要キャスト

阿部サダヲ/駒月直

 出世できない三流検事。だがそれには理由があった。円とは笑いのツボが同じで切れない腐れ縁を続けている

松たか子/蔦屋円

 直の元カノ。ある理由から担当しないと決めていた刑事事件を任されてしまう。ハトが嫌い

眞島秀和/鈴木貴司

 円の恋人。誠実でまじめで面白くない(と自覚している)

中村アン/佐藤亜希

 直の恋人で料理研究家SNSに自分を発信するのが好きな女子

・石橋静/星野七美

 弁当店勤務。直と円が関わる事件のキーマン

井之脇海/曽田知基

 直にあこがれている検察事務次官。積極的にコミュニケーションを取り支える

放送日:2020年/監督︰月川翔/脚本:坂本裕二/放送局:テレビ朝日 

 

感想

 Netflixで映画のトップ画面に出ていて「面白そうだなぁ」と即見ました。なので、微塵も疑わず映画だと思って見終わり、基本情報をググってドラマだった…と知った次第。

腐れ縁だとしても、人にはハマるピースがある

 映画『おかしな二人』以来、阿部サダヲさんと松たか子さんの共演作を見ました。映画はちょっと仄暗いのが苦手で好きになれなかったのですが、これは冒頭からコメディのようにポンポン言葉のやり取りがあって、すぐ、引き込まれました。

 冒頭で直と亜希、円と貴司が4人で食事をするシーン。どうやって出会ってどこに惹かれあって付き合ったのかわからないのです。ただ、食卓を囲む会話を見ていると、すっごく笑いどころがない話を面白いって始めてしまう亜希と、よくわからないワインの例えを相手にも求めちゃう貴司は二人が付き合ったほうが、直と円を相手にするよりよほど合うんじゃないかなと。
 円と直はある事故をきっかけに出会っていて、だからお互いにお互いを見捨てられず、付き合ったり離れたりしている。そしてお互いに罪を裁かれないことの非情さを知っているから法曹界に乗り込んだわけで。それでも裁けないことを裁きたくなる円のセーフティーネットが直なんですよね。切っても切れない縁、ぴたっとハマるピースみたいに。

 事件があると被害者・加害者に分かれ、ニュースに流れてくるそれを知るのみで、普段私たちは自分でその先を知ろうとはしない。時に、加害者の名前が隠れていること、被害者ばかりがさらされてしまっていることに憤っても、被害者が加害者になる恐れのある事件の理由とか、加害者が元何かの被害者だったことが反対側の世界に回るきっかけになっているとかは知らない。しかも、その両害者には各々の家族もいるわけで、その誰かが被害者になったから、加害者になったなどとは思いもしない。

 そういうことの危うさとほのかな恋愛の心というか、たとえ惰性だとしてもほっておけないな思いが、共存してるのが人間なんだよね。というすっごく当たり前なことをわざわざ拾って描くのがうまいなぁ、坂本さんって。

好きなセリフ

 真実を突きつけようとして尋問する直を止めようと聴取部屋に来た上司を曽田くんは「あなたがやっていることは宮崎駿のアトリエに乗り込むようなことだ」と追い出すんです。やってはいけないことだということを比喩するとこうなるのかっていう、言葉の巧みさにうなる。場所を問わず、あれこれ人前で直の過去をしゃべっちゃって空気読めなさそうなんだけど、いざっていうときにそういう感性で人をシャットアウトするのかっていうのが曽田のいいところで、嫌いじゃない。

 事件としては加害者被害者とは?ってところに踏み込んでいて重いんだけど、直と円の関係性がラブコメのように軽くしていて、どっちでもないんですよっていうおかしみがある終わり方も好みでした。

 映画の割にはふわっと終わるなぁと思ったらドラマだったのですが、正義とか惰性とか愛情とか、腐れ縁とか。ちょっとサスペンスでもラブコメでもないものを見たい人にはおすすめです。あと岡部たかしさんお好きな方にもぜひ!

▶こんな人におすすめ

  ・ 阿部サダヲ×松たか子が好き
  ・ラブコメでもサスペンスでもないものを見たい
  ・正義とか恋愛とかに疑問がある人

★★★

 

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