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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

映画レビュー『メタモルフォーゼの縁側』

『メタモルフォーゼの縁側』WOWOW初登場で拝見しました。

【メーカー特典あり】「メタモルフォーゼの縁側」コレクターズ・エディション(Blu-ray 2枚組) 〔コメダ先生 ミニサイン色紙セット(2枚組)付き〕

あらすじ

 毎晩こっそりBL漫画を読む17歳のうらら。夫に先立たれ一人暮らしの高齢者、雪。うららがアルバイトしている本屋さんにやってきた雪は、初めて手に取るBLの世界に驚きつつも世界に魅了される。意気投合したうららは雪の家の縁側で一緒に読んでは感想を言い合う中になっていった。年齢も境遇をも超えた友情物語。

作品データ/主要キャスト

芦田愛菜/佐山うらら

 本屋さんでアルバイトしているBL好きな女子高生

宮本信子/市野井雪

 夫に先立たれ、習字教室をしながら独り暮らしている

・高橋恭平/川村紡

 うららの幼馴染。別の女子と付き合っている

・古川琴音/コメダ

 うららと雪をつなぐBLの漫画家

生田智子/花江

 雪の娘。離れて暮らす雪をたまに見に来る

公開年:2022年/監督︰狩山俊輔 /脚本:岡田和惠 /配給︰日活

芦田愛菜さんと宮本信子さんの再共演!

 17歳の進路もあやふやなうららと、夫の3回忌を済ませた独居老人の雪。ひょんなことから出会った二人の共通の話題はBL漫画。58歳差の趣味友の暖かい友情を描く同名漫画の映画化。主演の芦田愛菜さんと宮本信子さんは、かつて『阪急電車』で血のつながった祖母と孫を演じた二人。11年の時を経ての再共演にも注目です。

*以下ネタバレしますので、未見の方はご注意ください。

 

穏やかな友情に癒された

宮本信子さんと芦田愛菜さん

 『阪急電車』から11年ぶりの共演。これは見ないわけにはいきません!というわけで、WOWOW初回放送を録画してみました。
 11年経過しているだけあって、すっかり可愛い愛菜ちゃんから大人の芦田愛菜さんに変わっていたし、宮本信子さんと正直BLが結びつかなかったけれど、二人でいると自然と馴染んで見えるのが不思議。お二人が共演されているからなのか、うららが走るシーンは子供のころの愛菜ちゃんが走っているようにも見えて、不思議な感覚になりました。

本作は趣味友のお話です

 本作はごく普通の17歳と独居のおばあちゃんが趣味を通して意気投合した話。その趣味がたまたまBLだったというだけのことです。私はBLどころか漫画も読みません。でも、共通項が映画だったり、ブログだったり、電車だったりに置き換えたら誰の身にもありえる出会いですよね。場合によっては年齢の差がもっと狭かったりするかもしれないけれど。
 私も推しを通して出会った人たちがいます。なので、雪がうららと出会うきっかけになった作家さんへお礼を言う気持ちはすごくわかります。私も推しの拍手会とかサイン会とかあったら、好きなことが同じ人と出会わせてくれて、心からありがとうと伝えたいです。
それに、本作は誰も悪者がいないんです。ちょっと失敗したりへこんだりするけれど、誰かが誰かの背中をすごくさらっと押して一歩進めるんです。純粋に人と出会って自分のやりたいことに打ち込めたうららにも、この出会いで自分の居場所を変える決心をした雪にも拍手を送りたいという気持ちになります。見ている側も背中を押されます。  

 ただ、ちょっと漫画を見せたいのか、趣味を通した世代を超えた友情を見せたいのか、どっちなのかな?と思うくらい漫画紙面のシーンが出てくるのはちょっと飽きるところはあるかもしれません。

 あと、幼馴染の男の子をなにわ男子の高橋恭平さんが好演されているんですが、いい意味でアイドルのオーラが消えていて、ちゃんと普通の男の子なんです。その普通さを活かした幼馴染とうららはお互いのちょっとピンチな時に助け合うんです。恐らくうららはわずかに彼への恋心があると思うんだけど、その二人がもうちょっとがっつり助け合うとか、前進するとかあってもいいのかなぁと。BLだから趣味友の話に徹したのかな?と思うのですが、両方あるのが自然なんじゃないかなぁと、個人的には少しもったいなさを感じました。
 でも、普段BL見ない私でも楽しめましたので、ちょっとその点で気後れしている方にも気にせず見ていただきたいです。

▶こんな人におすすめ
・BLが好き、見たことないけど興味がある
・背中を押してほしいことがある
・映画『阪急電車』が好き
★★★