映画感想『阪急電車　片道15分の奇跡』

映画『阪急電車』をNetflixで見ました。

作品情報

公開年：2011年／監督︰三宅喜重　／脚本：岡田惠和　／配給︰東宝

あらすじ

阪急今津線の車内、白いドレスを着て引き出物を持ち窓際にたたずむ翔子に、孫と一緒に乗り合わせた時江が声をかける。DV彼氏に振り回される女子大生、気の合わないママ友との付き合いに胃が痛む主婦…片道15分の阪急電車今津線で、さまざまな問題を抱えた乗客たちの運命が交錯したとき、小さな奇跡が起こる。

キャスト

・中谷美紀／高瀬翔子
・戸田恵梨香／森岡ミサ
・宮本信子／荻原時江
・芦田愛菜／萩原亜美
・南果歩／伊藤康江
・勝地涼／小坂圭一

＊以降、感想ではネタバレもありえますので、未見の方はご注意ください。

感想

　久しぶりに見てほっこりしました。

　本作は、兵庫県のローカル線駅・車内を舞台に乗客同士が少しずつ絡み合いながら、お互いのちょっと煩わしい人間関係を解くお話です。関西が舞台の作品を見ると、頑張ってくれているけどちょっと違うイントネーションに躓くときがあるのですが、本作はほぼ全員が兵庫県民のキャスティング！なので違和感に引っ張られることなく、お話にのめり込めました。

　冒頭、破談の申し入れというセンセーショナルなシーンから始まるのだけど、その場所が元教会をリユースしたカフェで、このロケーション選んだ人のセンスに苦笑いしつつ、破談にする条件に結婚式への招待を要求して真っ白ドレスで乗り込める女は、女から見ても「ほっといても大丈夫そう」だな納得。
　（でも大概の場合、ほっといても大丈夫そうな女に見えても、相手に気を使って強がっていたり、甘え方を知らない、一人で平気でいることを強いられてきた女子だから、彼の支えが必要なんだよ！ということは言っておきたい。）

　抜け出したほうがいいなぁって思う煩わしい事って、別に阪急沿線でなくても案外あると思うんですよね。あと少しの勇気が一人で持てないだけで、縁切ったほうがいい人間関係の「あるある」「いるいる」「わかる！」と共感しながら、そのわずらわしさを周りの人がたまたまいい人でひも解いてくれる心地よさに浸ってみる。
　ただ、最終的によく電車で見かけるから「このあとすぐにお茶行きましょう」っていう最後のオチ部分には全力で「ない！！」って毎度突っ込みます。私には少なくとも毎日顔を見るからお茶でも！なんていう勇気はないですね。そんな人います？

　あと、原作にはある”車窓から見える土手に突如現れる「生」の文字”のエピソード。私のお気に入りのシーンで、映画館のスクリーンで見たら迫力あるだろうなぁって、公開当時も見るのが楽しみだった記憶があるのですが、残念なことに微塵も本編には出てきません。完全にエンドロールのスナップで処理されていることの悲しみ。何度見ても見たかったなぁって思いだします。最近昔の作品のリメイクが流行りだしているので、ぜひやってほしいですね。

★★★

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