映画『青天の霹靂』30日間映画チャレンジ DAY3
”30日間映画チャレンジ”で選んだ作品の好きなところを紹介します。
DAY3のテーマは、”5文字以上のタイトルの映画”。日本語だとたいていのタイトルが5文字以上なので簡単なお題ですが、本来は英語タイトルで5センテンス以上の長いタイトルの映画を選ぶチャレンジという意味だったようです。そうとは知らずに選びました作品が『青天の霹靂』です。
あらすじ
売れない芸人轟晴夫は生きる力を失いかけていた。そこへ長年音信不通だった父の訃報の連絡が入る。みじめさに涙があふれた瞬間、謎の雷に打たれ、40年前にタイムスリップ。若き父と母と出会った晴夫は、自らの出生の秘密を知ることになる。
作品データ
制作年:2014年
監督︰劇団ひとり
配給︰東宝
主演︰大泉洋
本物のふりしてて。
本作は、生きることにつかれたマジシャンが、青天の霹靂をもろに受けて、過去にタイムスリップする話。そのタイムスリップ先が、古き良き昭和時代でちょっとノスタルジックな懐かしさがあるんですよね。焼き芋とかとうふとか自転車で売りに来そうな街並みが、なんかいいなぁって。懐かしいなぁと、お話に入り込めてしまいました。
タイムスリップしたことに気づいても晴夫は帰らなくてもいいや、とマジシャンとして劇場に住み込み、働き始めます。そうして出会ったのが自分の父と母。
父は出産を控えて入院している母に、ティッシュでバラを作ってプレゼントするんです。いつまでもその花を水の入っていない花瓶に入れて飾っている母親に、晴夫は「どうしてそんなものをいつまでも飾っているのか?」と問います。
その答えが、「地味で味気ないけど、頑張って本物のふりしていて。自分なりに精一杯咲こうとしていて、とてもきれいだ」と答えるのです。
地味に同じルーティンの繰り返しの生活で、まして今はコロナ禍で制約の多い窮屈な時代。テレビの中の人や会社で目立つ人を見るといいなぁって思ったりするけれど。きっと、素朴な毎日の繰り返しの中にも、ささやかな嬉しい瞬間はあるはずで。それはたまたま買ったアイスが当たりだったとか、電車が待たずに乗れたとか、そんなことかもしれないけれど。
いつもと変わらない仕事を、日常を人にはわからないレベルでも自分なりにちょっと頑張っていたら、きっと見てくれている人はいるだろうし、何かうれしいことがあるかもしれないな。って思ったんですよね。
つまらないなぁって思っている毎日が、素朴だけど案外悪くないかもしれない…と気づかせてもらえる作品です。あと、最近俳優としてはあまり見かけませんが、柴咲コウさんのお母さん、とってもかわいいです。小説もありますので、よかったらどうぞ。
▶こんな人におすすめ
・昭和の風情が好き
・つまらない日常を変えたい
・大泉洋さんが好き