映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』はちょっと見る人を選ぶかも?!
あらすじ
つばめは近所の大学生に恋心を寄せるごく普通の14歳。父と継母3人で幸せな生活を送っていたが、両親の間に新しい子供が生まれることを知り、疎外感を感じていた。つばめにとって唯一の心の休まる場所だった書道教室の屋上で、見知らぬ不思議な老婆と出会う。つばめは「星ばぁ」と名付けたそのおばあに、恋や葛藤…様々な気持ちを打ち明けていく。
作品データ
制作年:2020年
監督︰藤井道人
脚本:藤井道人
配給︰KADOKAWA
主演︰清原果耶
話は好きだけど見る人を選ぶ。
星ばぁがかわいい。
何か見るものないかなぁと探していたとき、最近、別の映画で再注目されている吉岡秀隆さんがカバー映像になっていたので、何の情報も入れずに見てみました。
子役のころから知っているあの吉岡さんが中学生の子供の親の役をやっている!その鬱屈した年頃の娘の屈折感をだす清原果耶さん。きっと重い話も面白く感じるだろうと…思ったら、星ばぁですよ。
十分屋上にいたら怪しいおばあちゃんだと思う星ばぁ。一瞬わたしは、ホームレスの話?と思ってしまったくらい。
でも、キックボードで空を翔るシーンは、さながら傘で降り立つメリーポピンズのようで。その存在の嘘くさく無さに、魔法使いか!と信じてしまう。でも、優しいわけでもなく、雑な物言いで、願いを叶えてくれる代わりにもらう報酬を貪り食う。そのギャップがかわいいのです。タバコ加えて桃井かおりですけど何か?みたいなのが見えない。桃井マジック万歳なのです。
父と母と継母とつばめ
生みの母親に会いに行っても、自分とは気づかれない。疎外感を爆発させてしまったあと、家で血のつながる父親から、再婚した奥さんがどれだけつばめを大切に思っているのかと聞かされる。リアルで考えると、そりゃ窘められたら謝らずにおれないでしょうよ、と思うというか。ストーリー的にもプラスアルファ、継母と女同士で腹の底を出し合うみたいなシーンがあったほうが説得力があるんだよな、と思うのは女子だからだろうか?
女同士の面倒くささとか描いているところも含めて、結構この作品は好きなほう…なのですが、残念なのがキャスティングに難点があるんですよね…。
キャスティングがちょっと…要注意
本作、一部のシーンが別の映画にも出てくると噂になっていたようですが、それより気になるのは、伊藤健太郎さんが出演していること。
どんな端役であれ、また役柄であれ、世間を騒がすような警察沙汰や事件を起こした人が出ている作品は避けたいという人もいると思います。私もその一人です。
いつ撮影されたのかは知らないし、事件を起こす以前だったのかもしれないけど、それならいいでしょうとはならない。やったことと作品の良し悪しは違う…という言い分もあるでしょうが、その中でどんなにいい演技ができても、作品を見ているときに「この人…」と浮かんでしまったら、結局作品の価値を損なってしまう。
普通、会社員だったらクビになって地下に潜って出てこれない暮らしになるようなことをしでかしても、(俳優タレントに限らず裏方も含めて)数か月したら何事もなかったように作品に出られている。場合によっては名前が主要メンバーになかったり、予告ではわからなかったり、悪質な場合は名前が変わってて見てから気づく。見るということはそういうバックボーンも含めて認めてしまうことになるわけで、見たことでその人に利益をもたらす。
映画館に足を運ぶなら下調べすることもあろうが、なんか面白そう!で見られるのがサブスクの良さだ。事前にその人が出ているかなんて見たくもない名前をググらなきゃいけない苦痛を、見る側が伴わなくては楽しめないのは違う。
個人的にはこういう人たちはどれだけ演技力があろうと、二度とメディアに出てくれなくなるのが一番。だが現状、その厳しさがない芸能界では、せめて何事か起こった時には、再生前に「この人が出ていますけど見ますか?」と事前注意書きが出ればいいのにと思う。
★★
▶この作品をおすすめな人
・ファンタジーが好き
・キャストにこだわらない
・アマプラで暇をつぶしたい