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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

映画『ニューシネマパラダイス』初めて見ました

映画好きの必須科目『ニューシネマパラダイス』をWOWOWで初めて見ました。

ニュー・シネマ・パラダイス [Blu-ray]

あらすじ

ローマ在住の映画監督のもとに、里の母から町の映写技師アルフレードの訃報が入る。ベットの中で昔を思い返す。第2次世界大戦終結後、外界から隔離された町は映画だけが世界を広げる娯楽だった。母と妹との3人暮らしのトトは、時折、映写室に入りこみ、アルフレードの仕事を見よう見まねで覚え始める。

作品データ/主要キャスト

・サルバトーレ・カシオ/トト

 主人公。映画に魅せられアルフレードにあこがれる

フィリップ・ノワレアルフレード

 トトが通う映写室の技師。よき理解者

・アニェーゼ・ナーノ/エレナ

 トトの初恋の相手

公開年:1989年/監督︰ジュゼッペ・トルナトーレ/脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ/配給︰日本ヘラルド 

解説

 中年を迎えた映画監督が映画に魅せられた幼少期と青年期の恋を回顧する。イタリアを代表する名作。日本映画においても多岐にわたって本作をオマージュされている。

 

*以下ネタバレしますので、未見の方はご注意ください。

映画『ニューシネマパラダイス』感想

”この町にあるのは幻だけ”

 これは、終盤大人になったトトへ母が告げるセリフ。

 ノスタルジックなテーマソングは知っていても、きちんと見たのは初めてです。テーマソングとは裏腹に、内容はなかなか現実的。

 検閲で表現の自由が統制されている時代、町の唯一の娯楽が映画だった。子どものトトも母からのお使いの小銭を映画代に充てて怒られたり、隙をついて映写室でアルフレードの仕事に見入ったりしている。父が戦死して母子家庭で育てられているトトにとって、映写室は、アルフレードは父であり、友人であり、あこがれの存在になっていった。

 でも、この時代の映写技師は、この町で学がなくともできる仕事。学校へ行かせている母としては映画なんかにトトを奪われてはならぬと怒り、アルフレードさえも、大きな仕事をしろと言って遠ざける。それでもひそかに通い続け、放映中の映画館が火災に遭い消失。失明したアルフレードに代わってトトが技師の仕事を継ぐ。けれどもそれは町を出ていくまでの束の間、ささやかな青春の記憶となる。

 大人になったからわかるんだけれど、子どもの頃のあこがれやその場所での時間、叱られたことも含めて、本当に宝物で。束の間だとしてもそれが永遠に心に刻まれていて、忘れることはないんだよね。サクマドロップみたいに、ふとした時に子どもの頃のころの記憶って呼び起されて、ふわっとよみがえっては、今の自分のエールに思えたりもするんです。トトに幻がひとつもないよりも、ずっといい。

アルフレードからの贈り物

 アルフレードの葬儀に参列するため里帰りしたトトへ、アルフレードからの贈り物。子どものころトトが欲しがった検閲で省かれたシーンをつないだフィルム。トトにやるが俺が保管すると言っていたものを、失明する前に秘かにつないでくれていたんですね!

 これはお前のものをお前に返したぞとも取れますが、直前、母がトトに「お前を愛している人の声をまだ聞いていない」=心の底から愛することができる人と出会えていないというシーンを受けて、アルフレードからも愛する人とモノと出会え!というメッセージに私には取れました。

 愛する人は相手にも愛してもらえないと心寂しいですが、愛するものとその情熱は誰にも奪えません。

映画『今夜、ロマンス劇場で』のかけら。

 この映画を観て、再び見たくなってしまう映画。それが、映画『今夜、ロマンス劇場で』です。内容は助監督の青年が映画の中のお姫様に恋をするお話で本筋は異なりますが、作中にはこの映画のかけらが随所にちりばめられています。この作品が好きな方にも、そのかけらを拾いに1度見てもらいたいなと思います。

▶こんな人におすすめ

  ・名作を見てみたい
  ・映画が好き
  ・オマージュ作品を見たい

★★★★