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Netflix、アマプラ、時々映画館 チョコをおともに見た映画の感想をBitter&Sweetに書いています。

映画『繕い裁つ人』WOWOWで観ました 

こんばんは。

今日、WOWOWで放送されました『繕い裁つ人』を見た感想をつづります。

繕い裁つ人 DVD

あらすじ

 神戸の丘の上にひっそりたたずむ古びた一軒家に南洋裁店はある。デパートの藤井は、南洋裁店の店主・市江にブランド化を持ち掛けるが、頑固じじいのような彼女はまったくその気にならない。
 南洋裁店の服は世界に一着の一生もの。それがこの洋裁店が愛される理由だった。先代の祖母が仕立てた洋服の繕い直しとサイズ直し、先代の残したデザインを流用した新作をほんの少し出す。それで一江は満足だった。だが、自分のデザインした服を作りたいはずだといわれた市江は初めて心が揺らぐ。

作品データ

制作年:2014

監督︰三島由紀子

脚本:林民夫

配給︰ギャガ

主演︰中谷美紀

   三浦貴大片桐はいり黒木華杉咲花余貴美子

感想

 公開時劇場で見て割と好きだったので、いつかテレビでやらないかなぁと思っていた作品です。久しぶりにWOWOWでやっていたので、録画をして見ました。
映画館で観た時とは感じ方が違うところが多々ありました。家で観た視聴2度目の率直な感想を書きますね。少しネタバレしますのでお気を付けください。

神戸の街が好きな人必見

 この映画の神戸の街の雰囲気と流れる時間のゆとり感とアンティークさが好きです。そもそも神戸が好きなので、知っている街並みの美しさと、逆光を活かした足踏みミシンを踏むシルエットの美しさ。本当にディテールに凝っているなと思うのです。
 ただ、ストーリー的にファンタジーとリアルの境目がいびつに感じました。
 例えば、”おしゃれはじぶんのためにするもの。とっておきの服はたった1人の誰かのために着るもの”という主人公・市江の言葉が出てきます。
おそらく、先代(市江の祖母)が作ったのは前者。自分のスタイルに合った形色デザインを纏って、日常の少しだけおしゃれをする日に袖を通すと背筋が伸びるような自分着。それを着てきているはずの夜会は、明らか後者。仕立て直した市江をたたえるために、舞踏会にでも行けそうなスケスケヒラヒラなドレスでグラスを重ねて踊っている。それを市江は黙って見つめて悦に入っている。

 そうかと思ったら、先代に仕立ててもらった大切な服を、死に装束に仕立ててほしいと言われたのに、園芸が好きな人だからって勝手に庭いじり用エプロンに変えてしまう。それはさすがに、顧客の意思を汲めていないにもほどがあるんじゃないか…?そんな勝手な仕立て屋さんを大丸さんのバイヤーが目をつけてブランド服を作りましょうとはならないんじゃないかなぁ?と話に没頭するより考えてしまいました。

 極め付きが、南の妹のウエディングドレス。いつ結婚するって話出ましたっけ?という唐突さで登場します。おそらくは、市江の誘致に失敗し異動した藤井と市江との接点をふたたび持たせるための展開なのだろう、と想像がつきます。だったら、ファンタジーか、リアルか、はっきりこの行間埋めてほしい!!という気持ちがふつふつと沸く…。

 とはいえ、見ている間の時間のゆったり感は贅沢だし、出てくるチーズケーキのホールをほおばってみたい気持ちにもなるし、ウエディングドレスも(ヘッドレストはくどいけど)きれいなので、トータルでうっとりはできます。あと、普段の仕事の時、自分のためのおしゃれすらできてないな、とちょっと反省もしました💦

 2度目見たから気づいたこともあって。杉咲花さんが出演されていました。数多いる大人の中でも凛とした佇まいで、3人並んでいる子どもの中でも目が杉咲さんひとりにいってしまうくらい。
 それから、片桐はいりさんの娘役なのかな?同じような髪形をした子役さんが愛らしくて(お名前がわからないので知りたいのですが)。セリフが特にあるわけではないのですが、ちょこんとした佇まいにやられました。
 私は、映画の中のBGMってほぼ覚えていないくらい言葉のほうが記憶に残ります。でも、もっというと、セリフ回しがうまいとかリアクションが大きいとかより、スクリーンの中の人の普通らしさ。その居ずまいにやられてしまうのかもしれません。

 ストーリーや好きな俳優さんに集中してしまっている1度目と違って、2回目の視聴は、もっと引いてみて、好きな人や映画の好きなところを見つけられるのが楽しいですね。

 

★★★

▶こんな人におすすめ

・洋服が好き
・アンティークな世界観が好み
・ゆっくり時間を過ごしたい