映画『めんたいぴりり』115分 ★★
公開:2019年/監督︰江口カン/脚本:東憲司/配給: 出演:博多華丸・大吉 富田靖子 柄本時生 でんでん
あらすじ
昭和30年代。戦後の面影が残る博多・中洲で小さな食料品店ふくのやを開いた海野俊之は、おいしいもので人を幸せにしたいという思いで、生まれ育った釜山でよく食べていたお惣菜からヒントを得て、明太子づくりに乗り出す。理想の味を追い求め、本格的に製造化するが、明太子のファンだった丸尾の死をきっかけに、明太子づくりをあきらめてしまう。
感想 ★★
明るそうな気分になれる作品を…と選んでみました。博多の明太子やさんとして有名なふくやさんの川原社長さんをモデルにしてドラマ化・そして本作で映画化されたんですね。
昭和30年って確か、東京タワーが完成した頃。まだ、テレビどころかお風呂もなかったり、服どころか教科書もおさがりみたいな世帯が不通にいる時代。人がいいというか、お金儲けじゃないにしてもある程度お金の儲かるシステムを敷いておく方がいいのに、と現代人としては思っちゃうのですが、こういう時代だからこそ、生きるために食べ、食べるために働く。そのために一人でも多くの人がまっとうに働ける術こそ必要だったんでしょう。
それにこのお人柄。奥さんのへそくりを見つけてる時点でお互いのことをよくわかっている夫婦なのだと思うのだけど、悪い事には決してお金を使わないと分かっているから奥さんもお金がナイナイと言いながら人を助けるし、それが巡り巡って返ってくる。意図的にか天然かわからないけど、野球場の敵陣で選手の名前出してしれッと宣伝して商品爆売れしていたり、あしながおじさんになっていたり、『ALWAYS 三丁目の夕日』並みにそれなりの感動自伝になりそう。
なのに、スケトウダラさんみたいな突拍子もないコントが、すべてを台無しにしている。これがなかったら星3つです!なんだけどなぁ。ただ、見終わると確実に明太子を食べたくなるとは思うので、ふくやさんのPRとしては間違ってはないのかな。(笑)
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映画『あのこは貴族』124分 ★★
公開:2021年/監督&脚本:岨手由貴子/配給:東京テアトル バンダイナムコアーツ 出演:門脇麦 水原希子 高良健吾 石橋静河
あらすじ
東京で箱入り娘として生まれ育った華子は20代後半に差し掛かり結婚を考えていた恋人に別れを告げられる。一方、都内で働く富山生まれの美紀は恋人もなく、仕事にもやりがいを感じていなかった。
感想 ★★
このタイトル、上流階級のお嬢さんが一般社会で奮闘する話…だと思っていた。
実際は、それなりにお嬢さんだと思っていた自分が一目ぼれした相手は想像以上に貴族だった。顔は好きだけどついていけなくて、自分らしく開放して(離婚して)生きていくことにしたっていう話かな。
と思うのだけど、20代過ぎても独身という人は今どきごまんといるし、政治家の家系で長男だったら出馬の予定はあるだろうし、これ、お寺とか、老舗のあととりとかでも、その道を継ぐことになるんだろうなくらいは一般人でも想像つくだろうし、それなりのお嬢さんが認識せずに育てられているということ自体あり得ないわけで。
とくに美紀との浮気が続いているわけでもなく、子どもが生まれないことを責められているわけでもなくて離婚?しかも、もめることなく離婚したから、後々顔を合わせても声をかけてもらえる環境って、かなりいいお相手だったんじゃないかな?と思うと、何がしたかったんだろうな、この人。というか、この映画。ただひとめぼれした相手が、想像以上に御曹司で、顔は好きだけど、環境になじめずにやむなく…とかなら、一般家庭で甘々な環境で育てられた顔とスタイル抜群のそれなりに見える末っ子、とかの方がギャップがあって面白いんじゃないかと思うんだけども。
静かに時を過ごせて、気になるタイトルだったのを消化できた。けど、どうやら私は、門脇麦が出ている作品を見るとたいがい退屈に感じるみたい。
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映画『サイレント・トーキョー』★★★99分
公開:2020年/監督︰波多野隆文/脚本:山浦雅大/配給:東映 出演:佐藤浩市 石田ゆり子 西島秀俊 中村倫也 広瀬アリス
あらすじ
クリスマスイブ。東京恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話がテレビ局にかかってくる。半ば疑いながら中継に向かったクルスとその場に居合わせ主婦の山口アイコは犯人の罠にはまり、実行犯に仕立て上げられる。
感想 ★★★
豪華キャストだし、クリスマスイブの渋谷。春に渋谷へ行ったばかりだったので、gタイトルからしっとりした話かな?とあらすじを読まずに見ました。
全然しっとりもサイレントもしてなくて、政府へ警告するために犯罪者になる国民っていうよくあるタイプ。無難にみられるけど、渋谷のスクランブル交差点や駅構内を再現した映画撮影所が東京から離れた県にあるらしいっていうのを見たばかりで、たぶんそこで撮ってるんだろうなぁ。真夜中にほんもの封鎖して撮影するのは大変そうだもんな、とか。犯行予告×レインボーブリッジは『踊る大捜査線』過っちゃうし、戦争反対を訴えるために罪のない国民死に至らしめる必要ないし、それじゃあ別に政府は痛くもかゆくもないだろうし、犯人も死に損だよね。と、突っ込みどころ満載でした。
唯一みてよかったのは、エンドソングの選曲が素敵でした!(歌と演奏は微妙だったけど)反戦での選曲だろうけど、クリスマス気分がほんのり味わえる程度にはなれた。
せっかくなら、この豪華キャストで”渋谷を舞台にした大人のクリスマスストーリー”あったらみてみたいとは思った!
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映画『弥生三月 ‐君を愛した30年ー』★★ 109分
公開:2020年/監督&脚本:遊川和彦/配給: 東宝 出演:波留 成田凌 杉咲花 岡田健史 小澤征悦
あらすじ
1986年3月1日、運命的に出会った弥生と太郎。互いに惹かれながらも、親友さくらの死を目の当たりにし、想いを伝えられないまま別々の人生を歩み始めた二人。しかし人生は順風満帆ではなく、希望を見失い。人生のどん底に突き落とされていた時、30年の時を超えて、サクラからメッセージが届く。
感想 ★★
杉咲花ちゃんと波留さんなので見てみました。遊川さん脚本なのでスッキリしないだろうとは思っていたけど、おぼろげながらの記憶で、洋画の『ワン・デイ 23年のラブストーリー』と似ている気がします。そのスパイスだけもらって、思うようにならないタイミングはすべてネガティブな出来事でまとめて、その最大の悲劇として震災を絡めて、二人ならほら心が自由で楽みたい!って感じににしたかったのだろう。と推察。
だけど最も悲しいはずの震災エピソードが、それまでもどん底が続き続けることで薄いし、罰が当たったんだという風にはなっていない。もう少しうれしいことも楽しいこともあるけど、何か物足りないな…という話のなかで震災が起こって、自分を大切に思ってくれていた人を失い、それでもなお、別の会いたい人が自分の中にいることを自覚する、くらいの方がお互いの大切さも強く感じられるんじゃないのかなぁ?って。
でも、相手の出方というか、幸せそうなら自分の気持ちを閉じ込めてしまって言わずに後悔するとか、タイミングって誰しも1度くらいは経験しているはずで。それを映像で見せられた時に「で?」と思うか、「ああ、」って思うかは人それぞれだけど。昨日のきゅんきゅん?ラブコメじゃないけど、若いときにしか感じ取れない気持ちや感動はある。その逆で、ちょっとやそっとのきゅんではきゅんと心が弾まない程度にいろんな経験を重ねて大人になったからこそ「それな!」ってこともありますよね。
最後の最後にミュージカルみてたっけな?と錯覚させる演出とか要らんけど、できたらもう少し全般的にハッピーオーラに包まれたいし、個人的には2度めはないけど。恐怖心をあおりすぎない震災を描いた映画としては見やすいかもしれないし、キャッチーなラブコメも、サスペンスも気分じゃないけど、なんか落ち着いて流しておくもの、くらいにはなるかな。
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映画『かぐや様は告らせたいー天才たちの恋愛頭脳戦ーファイナル』★★ 116分
公開:2021年/監督︰河合勇人/脚本:徳永友一/配給:東宝 出演:平野紫躍 橋本環奈 佐野勇斗
あらすじ
上流階級のエリートたちが通う私立秀知院学園史上、最も熱い戦いとなった第68期生と会長選が終わっても、生徒会長の白御行と副会長の四宮かぐやは自分から告白したら負けという考え方に囚われていた。会計監査に新メンバーを迎え、白銀とかぐやによる告白させるためのバトルが再び始まる。
感想 ★★
アマプラでやけにPRされているし、前作は試写会で見て、きゅんともくすりとも笑えない自分は感性がただ合わないだけなのか、大人になったのか…と痛感していました。なので、あまり期待せずだったけど、やっぱり苦痛でしかなかった~。感性年齢対象外を突きつけられた感じ。
ファイナルなのにまだどっちから告るかに焦点を当ててしまっているから、ただただサムイやりとりの116分を見守るしかなくて。どこからどう見ても、両想いなんだから、強引にでもくっつけてそのちぐはぐな過程を見せたほうが、話の幅も広がって面白いと思うんだけど、漫画原作の限界かな。
しいて見てよかったのは、石神がどうして青春ヘイトするキャラになったのかを知れたことかな。人は見た目(清潔感)が9割だと思っているけど、中身を知ったら案外いいヤツってこと大いにありますよね。
とりあえず、見始めたものにちゃんと「。」を打つことができてよかったです。
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▼アマプラで配信中(2023年9月1日現在)
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